Dr.Yoshi Blog

2011年8月 8日 月曜日

大腸がんと善玉コレステロール

大腸がんについてのおもしろい論文がMedical Tribuneという医学新聞に紹介されていました(2011年8月4日号)。欧州10カ国の52万例以上を対象のがんと栄養の疫学研究によると、調査中大腸がん(結腸がん+直腸がん)を発症した1238例で、善玉コレステロール(HDL-C)が高いと結腸がんの発症が低いことが分かったそうです。一方、直腸がんは明らかな関係はなかったとのこと(Gut 2011;60:1094)。HDL-Cは動脈硬化に予防的に働くことはご存知の通りですが、動脈硬化の防御因子が発がんの抑制にも関係するかもしれないということになると、心筋梗塞や脳卒中のみならず、がんの予防にも生活習慣が影響する可能性が示唆されます。なぜならHDL-Cは運動で増えることが分かっており、一方で運動は大腸がんを予防することが報告されているからです。血管を若く保つことはがんの予防にも効くかも・・・いや効くでしょう。

投稿者 MIWA内科胃腸科CLINIC