Dr.Yoshi Blog

2011年10月 5日 水曜日

アスピリンで大腸がんなど予防!

痛み止めや解熱剤として服用されるアスピリンは、血小板凝集の抑制効果もあるため、心筋梗塞や脳梗塞の予防に広く用いられています。そうした患者を調べてみると高用量のアスピリン(500mg以上/日)を服用している患者に大腸がんが少ないというデータは以前報告がりました。医師向けの雑誌MMJ9月号に今回は低容量(75-300mg/日)でも大腸がんにかかることも、その死亡率も長期にわたり減少することが報告されたのです(Lancet 2010:376;1741)。さらに同じグループが報告した結果がさ興味深く、8施設25000人あまりのデータを集めて解析したところ、アスピリンを5年以上服用していると消化器のがんを含むがん全体(食道がん、膵臓がん、脳腫瘍、肺がん、胃がん、大腸がん、前立腺がん)のリスクが低下するとのこと。さらに長く飲んでいるとその予防効果は増大するという(Lancet 2011:377;31)。薬でがんが予防できるという、なんとも夢のような話だが、アスピリンの副作用として出血傾向があり、胃や脳の出血の可能性もあるため、ハイハイ皆で飲みましょうというものでもありません。しかし確かにこれはインパクトあるデータだなあ、と思います。

投稿者 MIWA内科胃腸科CLINIC