Dr.Yoshi Blog

2011年11月29日 火曜日

肉食と大腸がん

昔から肉食の人は大腸がんになりやすいというデータは欧米からの報告がありますが、今回日本人でのデータが示されました。2011年11月28日の日経新聞夕刊で国立がんセンターの報告が紹介され、それによると大腸はもとも解剖学的に結腸と直腸に分けられるのですが、45-74歳の8万人を調査対象にしたデータで調査中大腸がんになった人は1145人、うち結腸がん788人、直腸がん357人。それらの患者さんを分析すると、牛肉・豚肉・鶏肉などを毎日100g以上食べる男性は、それ未満の男性に比べ結腸がんのリスクが48%高まり、女性では80g以上食べると48%高まったとのこと。この分量はたとえば外食でランチにとんかつ定食などを食べればすぐにオーバーです。皆さん動脈硬化の予防のみならず、がんの予防のためにも肉の摂りすぎに注意して下さいね。

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2011年11月17日 木曜日

本:なぜ「これ」は健康にいいのか?

これはなかなか示唆に富む本です。著者は順天堂大学医学部の教授である小林弘幸氏。人が健康で長生きするためには交感神経と副交感神経のバランスが大切と説いています。多くの健康障害は過剰な交感神経の働きでもたらされるため、副交感神経を鍛えることが大切で、例えばゆっくり歩く、ゆっくり呼吸する、ヨガをする、夕食後に散歩するなどが、副交感神経を高めるのに有効とのこと。また医師が笑顔だと患者の副交感神経が高まり、病気の治りもはやくなる。さらに副交感神経を高めると運動のパフォーマンスもあがるなどなど。あなたもこの本を読んでよりよい生き方の一助にしてみては?



サンマーク出版 1470円

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2011年11月 9日 水曜日

大腸がんとビタミンD

ビタミンDというと骨粗鬆症など骨の病気との関連が言われることが多いが、今回は大腸がんとの関連についての報告です。Reuter's Newsによると10000人を越える人を対象の18の研究でビタミンDの血中濃度が最も高い人の大腸がんのリスクは、最も低い人に比べ33%も低いという(J Clin Oncol2011.8.27on line版)。さらにサプリや食物でのビタミンD摂取量が最も多い人は、最も少ない人に比べ12%リスクが低かったという。御承知のようにビタミンDは脂溶性ビタミンで、サプリによる大量服用は中毒症状を起こすので注意が必要だが、適度の摂取は骨の強化や大腸がん予防に有効という今回の報告。マグロやカツオにビタミンDは多く含まれるのでこれらの食材を積極的に摂りましょう。

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2011年11月 9日 水曜日

女性は強し:ミトコンドリアの遺伝

細胞の中で生きていくためのエネルギーを作り出すミトコンドリアは皆さん御承知でしょう。ミトコンドリアが女性からの遺伝であることは以前より知られていましたが、日経新聞2011年10月14日号によると群馬大学の佐藤教授らは、男性からのミトコンドリアが受精卵で自食という、自らの一部を分解して栄養源に用いる作用で消失することを米国科学誌サイエンス電子版に報告したとのこと。なぜ女性のミトコンドリアだけ残るのか?男性からのミトコンドリアは受精の際、精子の運動で損傷され使い物にならないのではないかとの推測がされていました。ミトコンドリア遺伝子の遺伝子型と長寿との関係の報告もあり、女性が長生きだったり、最近の女性が強くなってきているのは自らのミトコンドリアの変異によるパワーアップのせいかな?

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2011年10月 5日 水曜日

アスピリンで大腸がんなど予防!

痛み止めや解熱剤として服用されるアスピリンは、血小板凝集の抑制効果もあるため、心筋梗塞や脳梗塞の予防に広く用いられています。そうした患者を調べてみると高用量のアスピリン(500mg以上/日)を服用している患者に大腸がんが少ないというデータは以前報告がりました。医師向けの雑誌MMJ9月号に今回は低容量(75-300mg/日)でも大腸がんにかかることも、その死亡率も長期にわたり減少することが報告されたのです(Lancet 2010:376;1741)。さらに同じグループが報告した結果がさ興味深く、8施設25000人あまりのデータを集めて解析したところ、アスピリンを5年以上服用していると消化器のがんを含むがん全体(食道がん、膵臓がん、脳腫瘍、肺がん、胃がん、大腸がん、前立腺がん)のリスクが低下するとのこと。さらに長く飲んでいるとその予防効果は増大するという(Lancet 2011:377;31)。薬でがんが予防できるという、なんとも夢のような話だが、アスピリンの副作用として出血傾向があり、胃や脳の出血の可能性もあるため、ハイハイ皆で飲みましょうというものでもありません。しかし確かにこれはインパクトあるデータだなあ、と思います。

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